FI記号、Fターム利用の勧め 2007.3/19
(FI利用の勧め0703)
六車技術士事務所/六車正道
※この案内は比較的初心者向けに作成したものです。
1.特許情報の検索はどうやるのか?
@最も簡単な検索;概念検索・・・検索に不慣れなエンドユーザでも一応の検索ができます。
Aやや時間をかけられる場合の検索;キーワードによる検索
B漏れを減らしたい人;IPCを併用した検索・・・日本特許ではIPCよりもFI記号が最良
Cさらに漏れを減らしたい人;FI記号を併用した検索
D特許庁と同じレベルの検索をしたい人;Fタームを併用した検索
2.FI記号とIPCの違いは?
・IPCとは国際条約で決まっている特許分類であり、全技術を約68,000に分けてあります。
・FI記号は、IPCでは大雑把過ぎると日本特許庁が考えた技術のIPCを細分展開して作成
した分類で約18万個あります。1つのIPCが、30や40のFI記号に展開されているものも
数多くあります。FI記号もIPCも、毎年少しずつ変わります。
・特許庁では、新しい出願に対してまずFI記号を付与し、それから自動的にIPCに変換さ
れると言われています。
3.Fタームとは何か?、IPCとの関係は?
・日本特許庁の調査の効率化のために、特許に多観点の技術コードを付与したものがFター
ムです。Fタームは全技術には付与されておらず、FI記号に吸収されたものもあります。
現在は1774テーマにおいて約34万項目があり、毎年少しずつ変わります。
・特許庁の審査用の調査ではFタームが最も利用され、FI記号で補っているといわれます。
4.これらをどう使い分ければいいのか?
・1の説明と重複します。初心者にFタームを使いこなせと言っても無理ですし、@やAで
もそれなりの結果も出ますので、とりあえず、それでもいいと思います。
・しかし、もう少し精度を上げたければ、IPCやFI記号の併用が必要ですし、特許庁と同じ
レベルの調査を望むのであれば、Fタームを併用した検索が必要です。
5.FI記号やFタームはなぜ、もっと使われないのか?
・特許調査員も必ずしも満足に使いこなしていないのが現状です。その理由は、特許電子図書
館IPDLによるFI記号やFタームの利用案内が不徹底のためと思われます。つまり、IPDLを
使って、自分の必要なFI記号やFタームを探すことが非常に困難なのです。
下記UDLで、IPDLによるFI記号、Fターム検索の難しさを説明しています。
http://www.patentcity.jp/muguruma/webfi-ipdl.htm
・その対策として、「WebFI」、「WebFterm」が開発されました。下記URLに説明があります。
http://www.patentcity.jp/muguruma/webfipr.htm
6.Shareresearchではどう使うか?
・一例として日立の特許情報検索システム・Shareresearch(シェアリサーチ)には「更新FI」
「更新Fターム」の項目があります。ここに、WebFIやWebFtermで見つけた最新のFI記号、
Fタームを入力することで、過去分も検索できます。
・IPDLでは、古いFI記号やFタームの一部が、最新と区別なく表示されていますので用心が
必要です。古いもので検索すると、新しい特許が検索できません。
⇒WebFI ⇒WebFterm ⇒六車技術士事務所 ⇒PatentCity