米IBMは2005年1月、同社が保有する500件の特許をオープンソース・コミュニティに公開すると発表しました。
その中には特許には、OSが使用するダイナミック・リンク手法、ファイル・エクスポート・プロトコルに関するものなど、重要な特許が含まれております。これは同社が「パテント・コモンズ(特許共有資産)」という概念を提唱し、そこに500件の特許を拠出するものだそうです。
同社の話では、パテント・コモンズに登録したそれらの特許の権利を主張しないことを公約する、これによりお客様は特許侵害を心配せずに、安心してOSSを利用できるなどとしております。
ご参考
USTPOにリンク設定のファイル
Espacenetにリンク設定のファイル
ところで、IBMのUSP(米国特許)を PatentWeb/PatSearch
Fulltext で検索するには "international
business machines"の正式名称で検索するのでは漏れが多くなり、inter*
busi* mac* で検索すればいいことが
すでに紹介されています。
また、出願人の指定法として下記の二つがあります。
Asignee/Applicant
Asignee/Applicant(non-stn)
Asignee/Applicant(non-stn)は公報記載のままであり、Asignee/Applicant
は一定の規則で出願人名を統一化したものです。その統一化は、USPTOの情報を元にMicroPatent社にて実施しているものだそうです。
とはいえ、出願人名は様々な記載がありますので、どの程度頼りになるか調べてみました。
まず、少々の語尾変化をカバーするために "inter*
busi* mac*" で検索してみます。
2001年以降の4年2ヶ月で13,963件あることが分かります。
次に、最後のsの抜けているものをカバーするだけの"international
busines* machin*"で検索してみます。
すると13,956件になります。
その差をとってみると下のように7件あることがわかります。
その7件の中身を見てみると、下記のようにIBMであると思われるものばかりです。
それらが、ほんのわずかな綴りミスのために"international
busines* machin*"ではカバーされていません。
例えば1件目は "Machines" が "Machnies"
のように i と n が逆になっているものです。
つまり、一定の規則で
統一化されているはずの名称も完全には統一化されていないことがわかります。統一化されているとはいえ、やはりIMBは
"inter* busi* mac*" で検索するのが良いといえます。
次に、参考として、統一化されていない公報記載のままのデータを検索してみます。
13,865件とだいぶ少ないことが分かります。
参考までに "IBM" で検索してみました。57件あることがわかります。
その内容を見ると以下のように IBM Japan Ltd.やIBM
Corporationなどが出てきます。つまりこれらは、統一化した"international
busines* machin*"に置換されていることがわかります。また、IBM
Corporation で出願されているものもあることが分かります。
次に、統一化されているものとの差をみると下記のように91件あることが分かります。
いろんなものが出ていますが、これらが全部いわゆるIBM特許として検索されています。
下を見ると、"International Busioness
Corporation" がたくさん出ており、これらもいわゆるIBMに統一化されています。
そのいくつかを見てみると確かにそうなっています。
インターネットで "Internet Business
Corporation" で検索すると、電子機器を販売するIBCと略称する別会社もあるようです。特許出願しているのはそのIBCでなく、いわゆるIBMであるのか、よくわかりませんでした。
統一化名称では、上のような事情を考えると、ひょっとするとごく一部、別会社を含めてしまっている可能性もあるかもしれません。
IBMに限らず、厳密な検索の場合にはそこらあたりを少し気にする必要があるかも知れません。