1頁/件の検討資料 | H21.10.13 |
パテント・トロールなど米国を中心とする権利活用のやり過ぎが問題に
なっていますが、適度な特許権の活用は出願人の正当な権利です。
液晶パネルの生産高の低迷を補うために、米国で裁判の検討をすること
になりました。(本件の内容は仮想ケースです)
そこで、ライバル企業の米国特許を整理する必要が出てきました。件数
が多いので上手な検討資料を準備する必要があります。電子媒体に記録す
る方法もありますが、今回は紙に判断結果を残すことにしました。
10人で手分けして第一次の評価を行なうので書式を決めて評価を書き込
めるようにする必要があるのですが、USPフロントページにはそのよう
なスペースがありません。
そこでPatentWebとSGshotを利用して、1件ごとに1頁で抄録の機械翻
訳付きで代表図面もプリントし、それらの上部に検討者名と共に評価結果
を記録するフォーマットをプリントすることにしました。
検索は1981年以降の特許を対象とし、出願人名を指定して液晶パネルや
表示装置の全体をカバーする検索式としました。
2889件ありました。PatentWebで抄録などを一度に出力できるのは500
件までですので、さらに発行年を絞って1つの検索結果が500件以下に
なるようにする必要があります。
この会社の液晶パネル関係の特許は下に示すように、2005年頃まで
は毎年150件前後の登録件数でしたが、2006年以降は250件前後に増え
ています。特許の重要性が再認識されたものと思われます。
登録年 2001年 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009/10月1週まで
特許件数 155件 160 149 161 145 251 246 220 181
上記の件数一覧を頼りに、まず2008年分と2009年(10月1週分まで)を
対象に検索しました。
2008年分と2009年(10月1週分まで)で401件ありました。
「Check all」をクリックして全件を選択し「Create Report-Bibliographic」
を選択して[Go]をクリックします。
401件の番号リストとその後に代表図面と抄録が順に来ています。
ここでSGshotを立ち上げて[IE/OK]をクリックします。このボタンは、
InternetExplorerに表示されている抄録を処理することを示しています。
これで処理すべき401件のデータを取り込みます。件数がこのように多
いと少し時間がかかります。
「処理の基本形式」画面で「1件1図/頁」を選択し、予め作成してお
いた添付プリントのファイル名称(例えばSGtempu2.txt)を指定します。
またその前に[翻訳実施]をクリックして抄録などを和文に翻訳します。
⇒翻訳の詳細説明
[OK(実行)]ボタンで401件のプリント処理を開始します。下図は89
件目を処理しているところです。
下図は作成したプリントの1件目です。この上1/3くらいの部分が特
徴的なものです。この部分はSGshotでは添付プリントと言っており、
その内容(フォーマット)は利用者が作成できます。
下に示す例では、「評価者」の名前を記入するか職印を押し、その下
の「評価」欄に、A〜Fのいずれかを記入することにしました。また、
自分が判断できない場合は次の人に回して評価してもらうようにしまし
た。こうすることで、誰がそのように評価したか、記録が残ります。
(また、余白を使って評価決定の参考事項を書込むこともできます。)
同様に下図は、作成したプリントの401件目で最後のものです。
下図は添付プリントの部分を拡大したものです。この部分は利用
者が予め作成しておいたファイルによってプリントされます。
下図は、上記の添付プリントのために予め作成しておいた添付プ
リントのテキストファイル(SGtempu2.txt)の内容です。ここのデ
ータは<>内を除いて、そのままプリントされます。<>内は文字の大
きさやフォントの指定でありプリントされません。