超能力実験の結果は、データの間違いや透明性を高めるために、都合の良い結果だけを公表するようなことはすべきではありません。そのため、実験データをできるだけ公表することが大切です。
この考え方にそって、提供しているプログラム「ESP1」を使って私が行なった全実験のデータを1実験(100ラン)が終わるごとに掲示いたします。 これまでの実験結果;■2010.5/9-9/28、■2009.12/12-2010.5/9、■2009.7/4-10/25、■2009.6/22-7/3、 ■2009.6/10-6/21、 ■2009.5/21-6/2 ■第6実験、期間;2010.5/9〜9/28 1か0の入力ごとに、下図のように一致○、不一致×を表示する形での最初の実験。 1実験(100ラン)のみ行うが、もし偏りが大きい結果の場合はその後の変化を見るために再度100ランの実験を行なう予定。刺激;大 途中では有意な結果もあったが、最終結果においては危険率1%での有意な結果は、刺激の前後を含め、どこにもみられなかった。 コメント;一致、不一致を表示するので結果に好影響のあることを期待していたが、一致が少ないだけでなく、偏差の大きい結果が全くなかった。途中からはやっていても面白くなく義務感だけでやっていた。また、新鮮さを感じないことも悪影響しているかもしれないと考えて日数をおいてやってみても改善しなかった。右上図;1ランを20試行ずつに分けたグラフでは最後の81〜100試行の部分が急上昇しているのが特徴的である(有意ではない) 1年5ヶ月にわたり合計6実験をおこなったが、各実験(100ラン)においてはいずれも有意な一致数はなかった。しかし、各ランにおいては有意な偏差がみられた。なおその有意な偏差は、2、3実験がピークであり、4回目は1つのみ、5,6回目はゼロになった。興味が薄れるとともに有意な回数が減ったように見える。これを超心理現象の足跡と見ていいかどうか、はっきりしない。 ■第5実験、期間;2009.12/12〜2010.5/9 口角を上げることで笑っていると脳が間違って理解した結果、前向きの良い気分になるそうです。そこで口角を上げた状態で実験をしてみました。 口角を上げるとは、口の左右の端を上向きにすることです。笑うと口角が上がりますが、逆に口角を上げることで自分が笑っていると脳が理解し、その結果、良い気分になる化学物質を脳が分泌するという理屈のようです。 「ESP1」はチカチカする光刺激と不快な映像でネガティブな状況を作るようになっていますが、実験開始の初期状態は普通の状態です。これに対して口角上げは、初期状態を普通ではなく良い気分のポジティブな状態にすることになります。つまり、口角上げのポジティブ状態と刺激によるネガティブ状態で大きな差を作りだして実験しようというものです。こうすることで、下降効果や位置効果が明瞭に出るのではないかと予想して行いました。
■第4実験、期間;2009.7/4〜10/25 システムはほとんど完成したので実験だけを繰返しました。 この実験は実に平凡な結果になりました。平均の一致回数は50.0回であり、全く平均どおりです。有意の偏りが出ないので刺激に慣れてきたことが影響しているのだろうかと考え、慣れを消そうとして休みを多くとって実験したので7月4日から10月25日の長期間にわたりました。しかし、有意な偏りはほとんどありませんでした。 左上図では有意水準1%(一致数が63回)が1回ありましたが、これは9日間空けて行なった3ラン目のものです。100ランやっているのでこのように1回起きることは確率どおりといえます。右上図は、41〜60回の部分が若干増えていますが特に意味があるとは思えません。右下図は刺激の直前も平均どおりであり、刺激途中も有意な偏りはありません。 下の図は刺激の前後ではなく、100試行のそのままの位置で集計したものです。2回ほど有意に多い一致が出ています。 ■第3実験、期間;2009.6/22〜7/3 一部分のシステムの改善を行ないながら実施したものです。平均の一致数は49.6回であり大きな偏りはないようです。しかし、左図にあるように有意水準1%が2回、有意水準0.5%(200回に1回しか起きないはずの現象)が2回ほど起きています。 また、右下図には刺激の前後30ランが表示されます。これを見ると、ピンク色の刺激の期間は他の部分よりも一致が少なくなっています。また刺激発生の直前(二重丸の部分)が一致が多くなっているのが面白いと思います。実は、30年近く前に行なった別の実験でもこれと同じように刺激(その実験では音響刺激)の直前で一致が高まる結果が出ています。これは、刺激により一致数が減ることを予想しそれを補償するようにその直前で多くなるように見えます。刺激の発生する位置はランダムですから、次に刺激が起きることを予知しているように見えることです。偶然なのでしょうか、超能力の発生の根拠といえるのでしょうか? なお、右下図の[全試行表示]をクリックすると刺激の位置とは関係なく100試行の結果全体を表示させることができます。 下の図は刺激の前後だけでなく100試行の全体を表示させたものです。 ■第2実験、期間;2009.6/10〜6/21 まだシステムの部分的な変更を行ないながら実験したものです。70回の前後で、実験に集中できることを期待して黒い四角が中心に吸い込まれるような視覚効果にするなどの画面の改善を行ない、その後も微調整を行ないながら実験しました。 この全体での平均の一致数は50.6でほぼ平均どおり。しかし、左上図にあるように有意水準1%以上のケースが3回(これに準じるものがさらに1回)ありました。なお、97試行で65回も一致していますがこれは1000回に2.7回(約370回に1回)しか起きない非常に稀な現象(危険率0.27%で有意)です。100ラン行なったのだから有意水準1%の一致(63回または37回の一致)は偶発的に1回は発生して良いものですが、このように集中して起きるのは極めて珍しいと言えます。 その理由として以下のようないろんな見方があります。あなたはどう考えますか? (1)偶然にいろんなことが起きるその1つであろう。 (2)何かの方法で、乱数発生によるターゲットを知った結果であろう。 (3)透視という超能力的な現象が起きていたのであろう。 (4)全く異なる見方が必要である。 私は、この下にある実験でも1回起きており、(1)とは言えないように思います。また(2)も困難だろうと思います。そうなると残ったものは(3)と(4)になります。超心理学的には(3)ということになります。(4)も何か可能性がありそうです。しかし、統計確率の適用を間違っているのではないかという指摘は数学者、その他によって間違っていないという結論がでていますので、それ以外の何かということになります。 なお、有意レベルよりも多く一致した場合と少なく一致した場合が(準有意を含めると)それぞれ2回であり、打ち消しあい、結果としてほぼ平均値になっています。これは次のように様々な理解ができるといえます。 (a)確率的な現象の単なる偏りである。くだけて言えば、バラツキだから当然である。 (b)超能力的な現象は打ち消しあって見えなくする補償作用がある。 有意レベルを超えないものであれば(a)の見方で良いのですが、有意レベルを超える現象が頻繁に起きると(b)を考えたくなります。 ■第1実験、期間;2009.5/21〜6/2 (データのダウンロード) この実験はシステムの開発途中に行なったもので、このため刺激の大きさ、画面表示の細部が途中で変ったり、1ランの途中で長く中断するなど環境が統一はされておらず、それらの実験方法の検討に気持ちが向いているなどの特徴がありました。 コメント;全体の平均一致数は50.0で全く平均どおり。左上図;赤○部分で示す37回しか一致しなかったことが1回、また破線の○で示したそれに近い62回の一致が1回起きました。 ◆ご参考;確率1/2の現象の場合、100回の試行では平均の一致は50回であり、現代科学の基礎をなす統計確率によれば、63回や37回の一致は100回に0.93回しか起きない稀な現象です。62回や38回はこれに次いで100回に1.2回ほどの珍しい現象です。なお、63回も当たることと37回しか当たらないことは同じ程度に起きにくい現象です。 統計学においては、20回に1回は間違いをおかす恐れのある水準(有意水準5%、または危険率5%)と、100回に1回は間違いをおかす恐れのある水準(有意水準1%または危険率1%)が使われます。超心理学では常識と異なる現象を扱うがゆえに厳密な方、つまり危険率1%(有意水準1%)が使われています。確率1/2の現象では、63回または37回の一致は危険率1%で有意な現象と言えます。つまり、63回の一致は偶然当たったのではなく(間違いの危険率が1%あるが)別の理由があるといえます。そしてその原因を、実験した人の心理学的な事柄と関係付けるのが超心理学の立場といえます。はたして心理的な事項と関係あるのでしょうか? 右上;合計において、超能力実験で頻繁に観察される下降効果がわずかに見られます。 右下;刺激の前後では大きな変化は見られません。 下図は、一致数が62回と非常に多かった5/26の実験結果です。左上図;最初に一致が多く途中で減少し最後にまた良く一致する典型的な結果が出ています。右の2つのグラフも5/26までの実験の結果です。 下図は、一致数が37回と非常に少なかった5/29の実験結果です。左図から分かるように特に最初の部分で一致が少なくなっています。この実験は、実験の進行状況を数値で表示していたものを横長バーの表示に変えたときのものであり、バーが徐々に増えて行くのが面白く、またちゃんと動くかどうかと気を使っていたいたときのものです。それがこの結果とどのような関係にあるのか分かりません。 |
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