構造化検索式の紹介

 検索式は論理的に明確なものにすることが必要であり,その
ためには見るだけで簡単に論理的関係の分かるものにすべきと
思います。そのために役立つ検索式の作成法として,構造化検
索式を紹介します。

左下は検索式の一般的な書き方です。4行目あたりまでは検索
の論理的な意味を把握できますが,それ以降になると全体がど
のような関係になっているのか把握し難くなります。その結果
,論理的に間違った演算を行い,もし件数は適当に減らせたと
しても意味のない絞り方となり漏れの多い検索にもなりかねま
せん。
















 これに対し,右上は構造化検索式による書き方を示します。
構造化検索式
の作成法以下の通りです。
@テーマを横に書く。
Aその下にテーマをズバリ表現するキーワードを横に書く。横
 の関係はandです。
Bそれらを補うキーワードやIPCを縦に書く。縦の関係はorです。
Corの集合ごとに検索する。
D最初の集合間でand検索する。
E順次and検索をして件数が妥当な時点で出力し内容をチェック
 する。
F必須でない条件を省いたり,別のタームでand検索し,前に出
 力したものを除いて出力して内容をチェックする。

 このFのチェック結果に,正しい答えが無いか,少しある場合
は,Eの検索が概ね良好であったと言えると思います。逆に,こ
こで大量に見つかった場合には,それらがEで漏れていたことに
なり,まだ漏れがあるかもしれません。さらに追加検索をおこな
う方が良いと思われます。

 なお,S1集合において,微生物とIPC=C12N11がorになってい
ます。これは,C12N11/00の定義が固定化微生物であり,微生物
とほぼ同じ意味であるため,キーワードを補うためにorとして設
定したものです。

つまり,何らかの理由で微生物というキーワードが存在しない場
合でも,IPCがC12N11/00〜99までが付与されていれば,この所ま
でにおいては、ヒットになるわけす。

さらに,(微生物+C12N11)*(水処理+汚水+廃水+排水+下水)
とC02F3がorにしてあるのは,C02F3/00の定義が水の生物学的処
理であり,
おおむね,(微生物+C12N11)*(水処理+汚水+廃水+排水+下水)
と同じ意味になるためです。

左図では,このような関係にあることが分かり難いですが,
右図では一目瞭然です。

 検索式が2,3行で済むような簡単な検索の場合は,左図の
ような書き方でもいいですが,5行程度以上になるような場合
には構造化検索式がはるかに分かり易いといえます。

予期したような検索結果が得られなかった場合なども,構造化
検索式に書き直してみることで,使った検索式の欠点を知るこ
とができます。
また,人から相談を受けたような場合も,構造化検索式に書き
直すことで,問題点を明らかにし易くなります。

下は別の例です。


【六車技術士事務所】  【Patent City】