・多くの発明が既存のアイデアの組合せを基礎にしている。 |
|
成果を上げた多くの人が、先行技術を参考にすることが独創技術の開発に役立つと言っている。
コペルニクスの地動説も、彼の独創ではなく、フィチーノの理論が元になっている。
数学者ガロアさえも、前の科学者たちの業績に導かれる、と言っている。
モーツアルトも(少なくとも初期の作品は)先人の作品を大きく参考にしているとの意見がある。
|
「超」発想法”のP43〜45にかけて、モーツァルト研究家であるアンリ・ゲオンの「モーツァルトは模倣に模倣を重ねやがて完全に模倣できるようになった。・・・あまりにそっくりに模倣したため、彼の作品とお手本の見分けがつかなくなり、お手本の方が逆に彼の作品を模倣しているかのようであった」や、アルフレート・アインシュタイン、木村武一氏の見解を紹介してあります。 |
2001年ノーベル化学賞を受けた野依教授の書かれた記事(読売新聞、2002.4/20)より抜粋
独創的な発想のためにはしっかりした知識の基礎が必要だ。ものごとを深く理解していなければならない。その上で一生懸命考える。悩みながら継続して考える。そこまでして時たま、はっとするような発想が出てくる。情報は自分の中に刷り込まれて、初めて知識と言える。例えば、鉛筆で傍線を引きながら繰り返し本を読み込むなど、情報を自分に刷り込む実践が必要。・・・昨今の学生はもう少し基本的知識の充実が必要である。
|
・アイデアは環境が整うまでは発展せず、眠っているものがいっぱいある。 |
|
エジソンは電球のフィラメントを陰極にすると陽極に電流が流れるとして特許をとったが、
フレミングによる2極真空管の発明はそれから約20年後であった。
ナイロン開発の失敗データをもとにして、はるかに高性能のポリエステルが10年後に合成された。
|
・偶然による創造も、価値を評価できる専門知識が必要である。 |
|
アオカビは誰でも見ていたが、ペニシリンは発見できなかった。
リンゴが落ちるのを何万人も見ているが、万有引力を発見できたのはニュートンだけだった。
触媒を1000倍まちがえる失敗で偶然に薄膜が成長。物性測定を可能に。白川秀樹(2000年ノーベル化学賞)
|
・発想は頭の中で行なわれるものであり、手法的発想法は、多くの場合役立たない。 |
|
ルールに気をとられ、縛られては発想できない、発想は対象とする内容に没頭することが必要。
発明にはパターンがある、しかし多くの場合それは結果論である。
○○法で発想が行なえたということは、ほとんど聞かない。
|
・発見も発明も、小さな改良も、発想のメカニズムは同じである。 |
|
T型モデルを作って車を大衆化したヘンリーフォードも、他人の発明を組合わせたと言っている。
eビジネスの多くも、これまでのビジネスとインターネットを組合わせたもの。
|