読後感; 白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由が、箇条書きに示してあるわけではない。しかし、その理由はよくわかった。
白人でイルカ漁をしている人たちも、日本と同じように反捕鯨の団体から攻撃されているのだ。しかしその活動に対しての、捕鯨をする人たちの対応が異なっているというのである。
白人は、なぜ自分たちが捕鯨をするのか正々堂々と意見をいうのに対して、日本の和歌山県の捕鯨をしている町の人達は、昔は言ったこともあったが、最近は言わなくなっている、そのことが、反捕鯨の人達の格好の標的になっている、捕鯨者、捕鯨国は正々堂々と理由と科学的な根拠を繰り返し言うことが大切、これは戦いである、という趣旨である。紹介する私も賛成である。
私も話しがそれほど上手ではないし、無駄なことをごちゃごちゃ言わないのが日本人の美徳であるとも思う反面、国際化した問題においてはそれでは済まないと思う。
情報はオープンにして、言うべきことは正々堂々と言い、しかも、恥ずかしげもなく繰り返し言うこと、インターネットや様々な媒体を使って伝えることが大切であると思う。
神様が審判を下してくれるのではない。人間社会は人間が審判を下す。判定を下す人達に情報を与え、論点を整理して正当性を訴えることが、関心を持ってくれる人、つまり判定者にとっても親切な行動と言えよう。
ジャーナリストである吉岡さんの克明な記録を読んでいくと、私自身も以前からそのように考えていたこともあろうが、同じような思いを強くする。
シーシェパードの日本の捕鯨調査船への犯罪的な活動に対しても、遠慮しないで公表すべき事項は公表し、ホームページに英文でも出し、首相が発言し、いかに危険な行為か繰り返し発言するのが、最良の対策と信じる。
私は思うのだが、国際問題においては「警察」はいない。つまり、身を守るには自分たちで守るしかない。国連などガス抜きに近いものだ。自分たちで正当性を世論に訴え続けて、世論を味方に付けることが大切なことだろう。
文章は読みやすく、一気に読んでいける。クジラやイルカに関心のある人だけでなく、さまざまな国際問題に興味を持つ人にぜひ読んでいただきたい。
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