半導体に電界をかけることにより発光させるエレクトロルミネッセンスにおいて、有機材料を使う有機ELという技術があります。液晶に代わる表示装置としてELは期待されていますが、そのさらに将来のものとして期待されています。PatentWebを使ってこの出願分析を行ってみました。
有機EL材料、装置、応用などがありますが、今回はそれらを区別しないでまとめたものとして、見てみました。
検索式は下記のように簡単なものを使いました。
organic near2 (EL or electron* adj lumine*)
ご参考;near2・・・左右が2ワード以内にあるもの。語順は問わず。
adj・・・・左右の順序で隣接しているもの
下図は2004年の米国登録特許を検索しているものです。
上図において、Issu/Publication Date欄の2004を消して、Assignee/Aplicant欄にSonyなどと入力して検索実行すると、Sonyの1971年以降のこの技術の米国登録特許が検索できます。
また、Priority Data欄にJPなどと入力して検索すれば、日本を優先権主張とする特許を検索できます。下図はこの技術のうち、2004年米国登録特許で、日本出願を優先権主張しているもの、つまり(おおむね)日本人出願のものを検索しています。
1971年以降の有機ELの全件数
米国登録 1873件
日本公開 3212件
EP公開 1405件
PCT公開 540件
発行年ごとの有機ELの件数
特許国・種別 |
1998 |
1999 |
2000 |
2001 |
2002 |
2003 |
2004/11月まで |
米国登録 |
68 |
94 |
108 |
178 |
268 |
415 |
590 |
米国公開 |
- |
- |
- |
211
(3月〜) |
733 |
1014 |
1381 |
日本公開 |
152 |
218 |
377 |
373 |
449 |
800 |
587/7月まで |
EP公開 |
(省略) |
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365 |
PCT公開 |
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178 |
米国登録は2004年登録が急増
日本特許が多いのだから日本公開を見るべきかも知れませんが
米国出願は費用もかさむので一定品質以上の発明しか出願しな
いので、米国特許でみてみることにしました。
11月は98件も登録されています。
1月 2
3 4 5
6 7 8 9 10 11
29件 56 40 33
38 49 40 78 67 62
98
米国登録の優先権主張国
|
1998 |
1999 |
2000 |
2001 |
2002 |
2003 |
2004/11月まで |
合計(1971〜) |
米国登録全件 |
68 |
94 |
108 |
178 |
268 |
415 |
590 |
1873 |
主張国=JP |
39 |
58 |
67 |
134 |
208 |
319 |
466 |
1380 |
〃 DE |
(省略) |
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21 |
〃 PCT |
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6 |
日本人出願の割合の多さに驚きです。
出願人ごとの件数 (1971年以降の有機EL関連特許)
※正確に多い順ではなく、目立つ会社の件数を調べ多い順に並べたものです。
※それぞれ子会社も少しずつ入っています。
企業別に見るとEastman Kodakは米国の会社ですが、半導体エネルギー研究所をはじめとして10社あまりは韓国一社を除けばすべて日本です。米国は得意な会社がやっているだけですが、日本は集団でやっている感じです。
半導体エネルギー研究所 218件
Eastman Kodak 124
三洋電機 101
日本電気 93
エプソン 92
ソニー 81
富士写真フィルム 81
パイオニア 75
キヤノン 56
シャープ 53
Samsung 47
松下電器 36
日立製作所 35
東芝 26
IBM 17