・優先権データの件数が?  H15.9.25

 Priority Dataを検索すると件数がおかしいと思うことがありますが、それは下記のようなことが理由です。
 1.CIP出願などの関連出願である場合
 2.この項目が番号と日付を一緒に取り扱うため

1.CIP出願などの関連出願である場合
 これは特許制度にかかわることであり、データベースの問題ではありません。
例えば、対象期間が2001-2003.8月で、Priority Data=1996で検索すると(パリ条約による優先権主張期間は1年ですから)ほとんど無いと思っていると、数百件も出て驚くことがあります。
 下記の事例で説明します。この優先権日は日本の19961106(1996年11月6日)ですが、米国の出願日(Filed)は20030410となっており、1年以上もたっており、おかしいように思えます。
 しかし、Related Applications:のところを見ると、19971105があります。これは日本出願からちょうど1年後の1997年11月5日に米国に出願されたことを示しています。(その出願自体は2003年4月10日に登録されていることが分かります。)この特許の分割出願や(一部)継続出願の場合、Priority:データにもこの最初の出願の優先権データが入っています。このため、このようなことになります。






2.この項目が番号と日付を一緒に取り扱うため
 Priority欄には、番号と日付が一緒に入っています。そのため例えば、Priority data=1970で検索すると、優先権日が1970年のもの以外に、下記のように番号に1970とあるものも検索してしまいます。

対象期間を2001年以降としておき、優先権日を1970のつもりで検索した。


 検索結果;2件該当がある


 1件目を出力してみると、出願日は1999年,優先権日は19981105であることが分かります。



 ところが、上記のように番号が1970となっているので出てきてしまったものです。

 もっと極端な場合をご紹介します。
 優先権日として1970年を確実に指定しようと前方一致(トランケーション)の*を付けると、大変なことになります。下記は Priority data=1970* で検索した事例です。


 975件もあることが分かります。


 この一件目を出力してみると、下記のようになっています。




 つまりこの特許は、優先権主張出願はドイツであり、その出願番号が19709456で、出願日は19970307となっています。Priority data=1970*では、番号の先頭の1970を検索してしまっているのです。

参考・・・ドイツでは1994年までは4,123,456などの番号を出願番号として、そのまま登録番号としても使っていました。
例 DE4443919 C2 Application No. DE4447609 DE, Filed 19941216 

ところが1995年1月からは出願番号として、先頭に1,そのあとに出願年の最後の二桁を付け、その後に5桁で毎年1から始まる番号を置いた8桁を使っています。また、これをそのまま登録番号としています。
例 DE19503627 C2 Application No. DE19503627 DE, Filed 19950126

 なお、2000年出願から先頭の文字が2に変るかと思っていましたら、やはり1のままです。
例 DE10233318 C1 Application No. DE10233318 DE, Filed 20020722, Granted 20030925