USPでのIPC付与は他の国と違っていることが昔から言われていますが、最近も改善されていないようです。このことを承知して上手に使う必要があります。
実例として、PatSearch FulltestであるキーワードとIPCを
G01B005 として検索したところ、いくつかの特許を見つけましたが目的としていた
US6460263 が見つかりません。
(IPCを G01B005 としたのは、G01B5/ 以下全て含めたいときのPatent
Webの入力形式です。)
見つかった特許は以下の通りです。(EP1080801
WO9942233 JP2001259745)
(※1件目は目的と違う特許)
なぜUSPは探せなかったでしょうか?
6460263を見てみるとIPCは G01B21/32 の付いていることがわかりました。
整理すると次のようになります。
・
EP、WO、JPでは全て B21D5/02 と G01B5/24 が付与されている。
・US6460263では G01B21/32 が付与されている。
つまり、この例でもUSPのICP付与が特殊であることが分かります。
IPC分類表を見ると下記のようになっています。
G01B5/00 機械的手段の使用によって特徴づけられた測定装置
G01B5/24 ・角度またはテーパ測定用
:
G01B21/00 先行するグループをなす個別の形式の測定手段に適合しない測定装置
G01B21/32 ・固体の変形測定用
※角度の測定ですからIPCは G01B5/24 でいいはずですが、この検索では少し広くカバーさせようと考えて
G01B5/ 以下全て含むものとして検索しました。
PatentWebのPatSearch Fulltestでは、データは特許発行国ごとに作られています。したがってEPなどで付与されているIPCは、USPの検索では利用されません。
USPの検索ではIPCよりUSP分類を利用するのが正解です。しかし、USP分類表は全て英語であり不慣れな場合は利用しにくいものす。
対策として、ファミリー出力を利用するうまいやり方があります。
各国で付与されたIPCを利用してUSPを見つけることができます。やり方は次の通りです。
1.USPを対象に検索する場合でも、EP,WO,JP,GBなど全部を指定して検索をします。
2.いくつかの特許がみつかります。
(※1件目のUSPは今回の目的とは関係なし)
3.これらを対象にFamily Reportの出力を行うと、その中にUSPも見つかります。
全件にチェックを付け、Family Report出力を行ないます。
デフォルトのまま実行します。
4.ファミリーごとにリストが作成されます。
(この実例では2つのファミリーがあったが1件目は関係ないので省略)
・回答リストにあったEP、WO、JPは一つのファミリーであることが分かります。
・さらにUS、AUの特許番号も分かります。
このようにして、検索式で指定したIPCが使われていない国の特許番号も知ることができます。