ザイブナー社の特許 H12.2.28  

 特殊な小型コンピュータの専門企業であるザイブナー社がIBMと独占契約を結び、製品開発とともに特許権の活用を進めるとの新聞記事がでました。この種のコンピュータは今後大きな市場になると思われています。

ところがザイブナーはこれまでよく知らなかった会社でした。そこで至急、特許調査する必要がでてきました。

1.PatentWebのAssignee/Applicantで下記を検索したがヒットしない。
 Zibner
  Zibnor
  Zivner
  Zivnor
  Si* ・・・*は前方一致。ところが、多すぎてダメ
  Sibn*
  SiVn*
  zaibn*
  Zaivn*
  Saibn*
  Saivn*
 TOPS契約(プロ契約も同様)のため、何回やっても費用がかからないのはいいが、いくらやってもうまくいかない。

2.日本公開特許を出願人=ザイブナーで検索すると、数件出てきた。
 アメリカのバージニア州フェアフォクスにある会社という事が分かった。しかし、英語の綴りはわからない。

3.そこでPatentWebの[Search Text for:]で、キーワード検索を行ない、回答の中から同社の特許を探す事にした。網羅しなくても、数件でも見つかればよい。
 このような時には、少々の漏れはあってもいいから、ズバリのキーワードで検索するのがよい。特殊な小型コンピュータをあらわすズバリのキーワードで検索した。数百件あった。

 ※他のやり方・・・日本公開特許に出てくる優先権主張の番号を、Patent WebのUSPでApplication No.(出願番号)に入力して検索する方法もあります。このとき幾つかの注意が必要です。
 (1)米国企業でない場合はPriority data(優先権主張データ)に入力すること。
 (2)YearとSearch(発行年)を1990-(現在)など広くしておくこと。
 (3)USPでは未登録のこともあるので、わかっている番号を数件入力した方が良い。
 (4)米国の出願番号は数年おきに同じ番号があるので、数件出た中から同じ出願人を探す。
  日本公開の優先権主張日をFiling date(出願日)に入力すれば一つになる。

4.新しい方から見ていくと、10数番目付近に Xybernaut Corporation というのがあった。どうもこれがザイブナーらしい。そういえば、ゼロックスもXeroxと書く。

5.そこで左側にあるチェックボックスをクリックし、[Order Selected Documents]を押すと数秒で明細書取り寄せの確認ボックスが表示される。動きが機敏である事もこのシステムの特徴だ。利用者の時間を無駄にしない思想がうかがえる。

6.そこで明細書を発注してもいいのだが、今回の目的はフロント頁のみを見ればいいので、Previewという機能を使う事にした。
 これはイメージ形式のフロント頁のみを簡単に見る機能で、 MP、TIFF、PDFの3つの出力形式が準備されている。私はPDFを押したが、TIFFも簡単だ。TIFF形式はWindowsパソコンでは専用のソフトが入っているので、特別の事をしなくても簡単に利用することが出来る。
 ユーザの事情を考慮して、出力形式が3つも準備されているのも、ユーザを大事にする考えのあらわれであろう。大変ありがたい。
 約15秒待つと、鮮明なフロント頁画面が表示された。確かにバージニア州フェアフォックスにある会社である。

7.次に、キーワードを消し、AssigneeをXybernautとして、検索した。
 このような専門企業を検索するときは、キーワードをはずして社名のみで検索するのがいいのだ。もし多すぎるならそのとき、キーワードとand検索すればよい。
 また、それほど昔からある会社ではないように思われたので、1990年以降のみを検索するようにした。特許は1998年以降のみであり、13件でてきた。(2000年5月時点の件数)

8.早速、図面付き抄録をプリントし、ざっと見てみるといずれも関係しそうなものばかりである。もちろん、表示だけでもいいが、特許の場合、100%の精度を要求されることが多いので、あとあと再吟味できるようにするため、プリントすることが多い。

9.プリントをチェックしたが、結局、全件の明細書を取り寄せる事にした。Patent Webは、何も操作しないでも30分ならばつながっている。13件ほど表示された先ほどの画面にもどり、Check allを適用し、13件全件にチェック付けた。次に[Order Selected Documents]を押して明細書を発注した。30分くらい後には全件の明細書がそろった。

10.短時間、かつ非常に安価に、大変良い結果を得ることが出来た。
 もしこの調査を従来からあるデータベースでやると、データベース費用と明細書入手費用は2、3万円くらい、時間は4、5時間以上かかったと思われる。人件費も含めると合計費用は、安く見ても5万円くらいかかったと思われる。
 PatentWebでは、つなぎっぱなしで検索しても接続時間やCPU負荷による費用がかかりません。そのため、依頼者などと検討しながらその場で検索出来るので、考え付くことを次々と検索してみることができます。したがって、全体的に非常に短時間に仕事を進められます。結局、明細書入手までを含むすべての実働時間が約1時間半くらいで終えることが出来ました。