■■■■■メールマガジン;六車技術士事務所■■■■■ ■■FI記号の秘密 ※FI記号超入門・・・FI記号とは、特許庁に出願され た特許を技術別に分けるための分類コードの1つ。 世界的にはIPC(国際特許分類)が使われているが、 それを日本向けにさらに細分化したもの。 FI記号はIPCを細分しただけだから簡単だと思っていませんか? FI記号は何やら分かり難いと思っていませんか? 確かに、FI記号はIPCの細部展開ですから利用し易いものです。 しかし、特長を知っておかないと大変な間違いをすることがあり ます。 【基本】下記のFI記号を見てください。 A61P 17/00 皮膚疾患の治療薬 A61P 17/00,101 ・皮膚用殺菌剤 A61P 17/00 に対して A61P 17/00,101 はドットが1つあります ので下位分類であることが分かります。 ところが・・・下記を見てください。何やら混み入っています。 理解できますか? ● A01B 69/00 農業機械または器具の操向;要求された進路に沿って ● A01B 69/00, A レール、案内体を用いた作業機の操向 ● A01B 69/00, B リモートコントロールによる操向 ● A01B 69/00, Z その他のもの ● A01B 69/00,301 ・操向の為の表示、警報 A01B 69/00,302 ・操向の為の駆動及び操作機構 ★ A01B 69/00,303 ・自動操向制御装置を有するもの ★ A01B 69/00,303A 自動操向制御装置の入切・手動操作 ★ A01B 69/00,303B 作物列の検出に基づく自動操向 ★ A01B 69/00,303C ・センサーに特徴を有するもの A01B 69/00,303D ・・非接触型センサー A01B 69/00,303E ・・取付、配置に特徴を有するもの まず、★の部分。 ★ A01B 69/00,303 ・自動操向制御装置を有するもの ★ A01B 69/00,303A 自動操向制御装置の入切、手動操作 ★ A01B 69/00,303B 作物列の検出に基づく自動操向 ★ A01B 69/00,303C ・センサーに特徴を有するもの まず、A01B 69/00,303 に対して A01B 69/00,303A は下位分類な のですがドットがありません。 つまり A01B 69/00,303A は、意味的にはドット2個なのです。 意味としては、下記のように理解すべきものです。 A01B 69/00,303 ・自動操向制御装置を有するもの A01B 69/00,303A ・・自動操向制御装置の入切、手動操作 A01B 69/00,303B ・・作物列の検出に基づく自動操向 A01B 69/00,303C ・・・センサーに特徴を有するもの つまり、FI記号において、識別記号(A,Bなど)は、上位分類 のドットを継承せず、一連の識別記号内だけでドット展開します。 ただし、展開記号(303など)は上位分類(つまりIPC)のドット を継承します。 ※FI記号超入門・・・FI記号にはアルファベット1文 字の「識別記号」と、数字3桁の「展開記号」があります。 もう1つあるのを知っていますか? 「IPC記号」というものがあります。つまり、FI記号表 の中にある A01B 69/00 などはIPCを借用したものであり、 それはIPCではなくFI記号としてのIPC記号なのです。 なお、PATOLISでは識別記号はドットによる下位展開を利用でき ず、全て同格として取り扱うそうです。 では、次に●の部分は理解できますか? ● A01B 69/00 農業機械または器具の操向;要求された進路に沿って ● A01B 69/00, A レール、案内体を用いた作業機の操向 ● A01B 69/00, B リモートコントロールによる操向 ● A01B 69/00, Z その他のもの ● A01B 69/00,301 ・操向の為の表示、警報 A01B 69/00, A が意味的にドット1つだとすると A01B 69/00, Z もドット1つになります。下記で良いのでしょうか? A01B 69/00 農業機械または器具の操向;要求された進路に沿って A01B 69/00, A ・レール、案内体を用いた作業機の操向 A01B 69/00, B ・リモートコントロールによる操向 A01B 69/00, Z ・その他のもの A01B 69/00,301 ・操向の為の表示、警報 一番下のA01B 69/00,301 は最初からドット1つですから、 A01B 69/00, Z がドット1つだと皆が同格になります。 何か変ですね? A01B 69/00, Z と A01B 69/00,301 は同格ではありません。 A01B 69/00,301 は A01B 69/00 の直系の下位分類です。 A01B 69/00, A〜Z は A01B 69/00 の下位分類ですが、 A01B 69/00,301 の上位分類ではありません。 したがって、意味的には下記のように理解すべきものです。 A01B 69/00 農業機械または器具の操向;要求された進路に沿って A01B 69/00, A ・・レール、案内体を用いた作業機の操向 A01B 69/00, B ・・リモートコントロールによる操向 A01B 69/00, Z ・・その他のもの A01B 69/00,301 ・操向の為の表示、警報 上の例では、A01B 69/00, AやZなどにドットを2つ付けることで A01B 69/00,301 は A01B 69/00 の直系の下位分類であることが分 かるようにしたものです。 難しいですね・・・、もう止めましょう。(~_~; ■■知財判決の速報が半額で購読できます。 判決なんて関係ないと思っていませんか? 知財関係の毎週の新しい判決を、各判決の主要事項(原告名、 被告名、対象技術、判決主文、裁判内容の種類)の圧縮形式 にまとめて、毎週月曜日にメールで送ってくれる「IP判決 e速報」というサービスがあります。 このサービスが、開始から8年目のこの4月から発行元が六 車技術士事務所になりました。 その記念として初年度分の割引サービスが行なっています。 ・5月までに申し込めば5割引 ・9月までに申し込めば3割引 http://www.patentcity.jp/muguruma/ipsokuho/sub1.html 判決を勉強すると・・・良い明細書を作る基本になります。 自分の取り扱い技術の判決を見ることで、審判や侵害訴訟に耐 える行き届いた明細書の作成法を勉強できます。 また、同業他社の判決を見ることで、自社の知財運営方針の 参考情報を得ることもできます。 この際、利用されてはいかがでしょうか。 ※ご利用の会社は、電機、電子、精密機器、化学、薬品、大学 などの10数社で利用されています。 利用者の声・・・新しい判決が毎週忘れずにメールで送っ てもらえるので便利だ。 ■過去の索引 http://www.patentcity.jp/merumaga/index.htm ---------------------------------------------------------------- 発行元 六車技術士事務所 発行元へのメール http://www.patentcity.jp/mailtomug.htm 配信申し込みや配信中止 http://www.mag2.com/m/0000181771.html -------------------------------------------------------------- |