1年経過したリンパ腫

2017.1/18(水)、晴 昨年はこの頃から踵(かかと)に痺れを感じ始め、数日後に太ももに痛みを感じてその後大変なことになって行きました。私の悪性リンパ腫の詳しい記録は昨年の9月8日が最後なので、その後のことを書いておきます。

昨年11月まで毎月1回の診察を受けていましたが経過は良好でした。血液検査で各種炎症の指標であるCRPは継続して0.06くらいに下がっています。そこで、11月の次は2カ月後になる昨日、1/17(火)に診察を受け、さらに次回の診察は3カ月後の4月半ばということになりました。これは寛解という状態が続いていると判断されたものと思います。ガンでは治癒とか完治と言わず症状が消えている状態を寛解と言います。

「早期発見でよかったね」と言ってくださる人もいますが、じつは膨大な領域のリンパ節やリンパ球がガンの状態でありステージ4だったのです。ところが胃や肺、脳、骨髄などへの転移がなかったのが幸いでした。胃ガンや肺ガンのステージ4というのはなかなか大変らしいのですが、悪性リンパ腫の場合はそれらとは異なるようです。
昨年秋に、発症から1年余りで亡くなった元文科大臣の小坂憲次氏のようなケースもありますが、私のように抗がん剤が劇的に効く場合も多いようです。

良くなっているとはいえ治療の副作用のために免疫力の回復には1年くらいかかるそうで、土を直接いじるのはダメと言われています。土にはいろんなバクテリアがおり、(2015年、ノーベル賞受賞の大村博士のように)物凄く良いことも悪いこともするものが混じっているわけですから、悪いものを取り込まない様にしないといけません。

昨日医師に確認したのですが、私のは「低悪性度B細胞リンパ腫」というものでした。これまで私は「低悪性度」ということを認識していませんでした。あまり細かく聞かず医者にお任せして私は自分のやりたいことをやっていたためです。ガンになるとガンに関する多くの本を読んで専門家みたいになる人もいるようですが私は逆でした。治療で気を付けるべき点は聞いていましたが、あまり深入りするのは避けて医者にお任せと思っていました。この気分になれたのは、良い医者や看護師に恵まれたせいかもしれません。

じつは私は最近数年、自分はいろんなことに恵まれている、運が良い、と感じています。十年くらい前はそう思えるように努力していたのですが、最近は自然にそう思えます。例えば、何か問題点を他人に言うにしても「文句付ける」のではなく「良い状態にするために提案する」というように考えています。ステージ4のリンパ腫になって入院したことも、多くの人が経験できなかった貴重な得難い経験をしたので得したと思っています。今だから言えることですが、何事もなく一生を終えたら面白いのだろうか、と考えたりします。
今回の件では医者や看護師に恵まれていたと思う点を具体的にいくつも思い出すことができます。(まだ完治ではありませんが)劇的な回復もまちがいなく恵まれていました。また、下に紹介する本も入院したことで完成できたものでした。

じつは、最後の仕事になるかもしれないと考えつつ、入院前夜に「六車とは何か?」という90頁の本の印刷製本をインターネットで発注しました。入院中に校正し、退院後の4月7日に100冊ほど完成しました。これは40年くらいかけて私が情報収集してきたものの集大成でした。これまで何度も印刷しようと思ったことがあるのですがそのたびに不足部分に目がいって修正に時間を費やして印刷までに至っていなかったものでした。
さらに、この作業のために病院で使う新しいタブレットパソコンを、ベッドで点滴受けながら、スマホで探して注文し販売店と機能や価格をメールや電話で折衝し、外付け光学ドライブ・その他を買い、Windows10を使い始め、福岡県に住む学生時代の友人とラインで頻繁に連絡取りあって教えてもらったり、スマホ経由でパソコンをネットにつないだり、などやっていました。
4月に退院してからも秋までの間に、ごみや土に接触しないように気をつけながら、ラジオ体操の世話人とか、団地の砂場清掃、公園などの草刈り、公園に芝を植える、公園花壇に花を植える会世話人、などやっていました。
こんないろんなことがやれるのは、私のために誰かがわざわざ空けておいてくれる、とさえ思います。

病気の件に戻します。入院直前に医師から進行度が極めて高いと聞いて、ずっとそう思っていました。ところが昨日聞くと、全体としてはじわじわ長い期間をかけて進行してきて、1月末から急速に大きくなったのだろうということでした。入院直前は進行度が極めて高いという状況だったようです。
リンパ腫は30種類にも分けられ、しかもその中もさらに分けられるものもあり種類が多いそうです。私のタイプは5年生存率が96%などとかなり高いもののようです。ただし、楽観できないケースもあるようです。発症前に体重減や発熱、発汗、疲れなどがない場合は完全寛解に至るケースが多いようです。幸い私はそれらは全くありませんでした。

じわじわ長い期間をかけて進行・・・確かに、半年くらい前からなんとなく体調が良くないという印象がありました。とはいえ別に体重が急減したわけでもなく、寝汗をかくのでもなく、発熱やひどい疲れもありませんでした。当時は、歳とったらこんなものかと思っていました。しかし、それらと関係するのかどうか分かりませんが、「がん哲学外来」や「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい 」とか、中村天風の「運命を拓く」などの本を読んでいました。読みたくなる気分だったのでしょう。また12月には極めて大きな流れ星を2回も見たのですが、面白いと思う一方で嫌な感じがしていました。

ところで、この「運命を拓く」と言う本が面白いのです。著者の中村天風氏は明治末のころ奔馬性結核というものにかかり、日本では治らないので治療法を求めて自ら船に乗ってアメリカ、ヨーロッパを旅し、それでも見つからず死にそうになった帰り道にスエズ運河のあたりでヨガの行者に出会い、話し方で気持ちが変わりその結果は体に現れると教えられ、実践していくと結核が治ってしまったそうです。その体験を発展させて、積極的な考えを持ち話すことで健康を得て事業を成功させうると主張しています。これは私が求めていたものと同じであり、私のガンの回復に少なからずの効果があったように思っています。

人間は60兆個の細胞があり、毎日500~2000個ものガン細胞が作られているそうですが、リンパ球がそれを食べてくれるのでガンは発症しないそうです。免疫力が落ちると食べ残しができガンが発症するそうです。

現在、病を乗り越えつつあるようです。とはいえ、今後のことは分かりません。油断せず、やりたいことを楽しくやっていきましょう。前向きの考え方や笑いは免疫機能を高めると言われています。