ガンが消えた

2016.9/8(木)、曇 9/6(火)に病院にて2月以来の悪性リンパ腫がすべて消えたと診断がおりました。8月末に撮影したPET検査(注1)の画像を見ながら診察を受け、ガンが全部消えていました。万歳!!

 振り返ると、2月初めからの太ももの間欠的な激痛。CTで腰の脇に肥大化した組織発見。PETで腹部の1/3くらいにわたって生じている悪性リンパ腫発見。入院。
 医者の見解、「肥大化組織が神経圧迫して太ももの激痛であったがこの激痛がなければ悪性リンパ腫は見つかっておらず、進行性が高いものだったので2,3カ月で危なかった」。
 腹部の体調変化。抗がん剤治療開始。数日で効果が出始め。6月末まで3週ごとに抗がん剤治療。8月末にPET検査。

 悪性リンパ腫はステージ4でも治癒率が高いと聞いていましたが、このように良くなるとは奇跡のように思えます。医師の適切な判断と薬の処方だったのでしょう。診察ではお医者さんも喜んでくれました。
 3月以来診ていただいたS医師はいつも白衣を着ておらず、こちらも医者特有の緊張を持つ必要がなくて助かりました。病室に入ってくるときは4人部屋にもかかわらず、私のベッドのカーテンを開けるはるか前から、
「○○さ~ん、その後体調はどうですか?」
と声をかけてきました。診察などではいつも大きな元気よい声で、明るい表情で、しかしこちらの状況を観察してくれているという雰囲気はあり、元気づけられました。感謝です。
 また外科のA医師は、2月末におぼろげな造影CT画像から最初に病巣を見つけ、しかしこれが元凶ではなく元になったものがあると検査を進め、S医師に回わしてくれる適切な判断をしていただきました。大感謝です。それに看護師さんたちがじつに誠実で信頼感をもてました。例えば薬の投与や注射にあたっては顔見知りになってからも必ず氏名の照合を行なってくれました。
 このような良い組み合わせで最高の診療を受けた感じがしていますが、別にコネなどなく自然ななりゆきでした。

 ところがです。当日9/6(火)夕方から何か疲れを感じて昨日9/7(水)も体が固い感じでした。とはいえ昨日も夕方、草刈り機で団地の道路脇の草を刈ったりしたのでそんなに元気がないわけではありません。
 また、いくつか痛み止めを飲んでいたのですが、最強のものはだんだん減らしてきて昨日からゼロになりました。ガンも薬もそうですが、何か長い付き合いの友人をなくした感じのようでもあります。

 治療による副作用なのでしょうが免疫力や白血球がもとに戻っていません。しばらくは運動して体力を付けつつ過労を避け、土などに触れる畑仕事はやってはいけないと医者から言われています。

 なお、ガン細胞というのは人間は毎日500個前後もできていて、それを免疫関係細胞が食い尽くしているので発症しないのだそうです。だから油断すると再発する可能性大です。医者からは、免疫力を高くすることが必要、ただし、サプリメントの類で本当に効果のあるものは知らないとのことでした。新鮮な食事、体を動かすことと笑顔、前向きな心が大切なようです。

 ところで3月、4月ころに強く感じた、他人への感謝や困った人への共感の気持ちが少し薄れてしまったような気がします。今後ますます忘れていくのでしょうか。これはちょっともったいない感じがしています。
 せっかく得たチャンスです。せめて、住みやすい地域の実現のために自分にできることをやってみたいと思っています。無理なこと嫌なことはやれませんが。

(注1)PET検査というのは、5時間あまり食事しないでおいて、放射性物質を吸収させたブドウ糖を注射し、1時間くらい後に、ブドウ糖の吸収状況、つまり放射線をたくさん出している所を、体から放出される放射線(ガンマ線)で撮影するものです。ガン細胞は活動が活発なので放射線が多く、画像では黒く映ります。
 もう少し詳しくいうと、PETは、ポジトロン断層法、Positron Emission Tomographyの略。PのPositronは陽電子。ガンに吸収されたブドウ糖の放射性物質が普通の電子と逆の電気をもった陽電子(ポジトロン)を放出し、その陽電子が瞬時に体内の普通の電子とぶつかって消滅することを利用しています。
 消滅するときガンマ線を放出するので、それを人体を取り巻くように円形に配置した測定器群で測定します。
 なお、陽電子と電子の衝突で発生するガンマ線は、正反対の2つの方向に放出されるのが重要な点です。このために、円形に配置された多数の測定器のうち、真反対にある2つの測定器が同時に検知すると、それらをつなぐ直線状のどこかでガンマ線が発生したことになります。
同時検知によりガンマ線の飛来方向が分かるため、検出器の前に鉛な
どで絞りを作る必要がなく、そのため感度高く測定できるそうです。
あとは、CTつまり、コンピューター断層撮影法(Computed  Tomography)と同じやり方で計算処理して、体を輪切りにした平面上でガンの映像を作成し、円形の測定器を頭から太もも付近まで動かして全身の立体画像を得るそうです。
費用・・・この検査は1回数十万円かかるので3割の個人負担でも10万円を超えますが、国の政策による高額医療費に対する「限度額認定証]制度があるので1カ月に6万円程度で済みます。なお70歳以上とか低所得者にはまた別の制度があります。アメリカをはじめいろんな国がうらやましがる素晴らしい制度です。とはいえ、若者に負担になってしまうのは困ることですが。