今朝起きて頭を叩いてみました。痛かった。昨日聞いた退院の件、ウソではないようです。
40年間かけて調べてきた趣味の本の第2校正を昨日午前中に送信し、印刷に入ってもらうことになりました。まるでこの入院は、その本を完成させるために準備されたような奇妙な印象があります。
丁寧に対応してくれた若い医師がいたのですが、研修医だったので今日が最後だと、昨夜挨拶にこられました。突然のことで驚きましたが、はなむけに次にことを伝えました。
「痛くて痛くて入院した最初のころ、背中に手を回して大丈夫ですからねと、言っていただいた。あれがどれほど有難かったか、痛みが軽くなったか、想像できないでしょう。医師になると忙しい毎日になるでしょうが、今後とも患者に手を触れることをぜひ続けて下さい。」
今朝も、毎朝やっているように、唯一外を見られる談話室の窓から手を合わせてポンポンと拝んできました。特定の宗教に帰依する気は、今のところありません。
私が拝んできたのは、この素晴らしい日本の医療体制、政治経済の安定した状況、高い信頼性を評価する気質や技術、日本の素晴らしい気候・風土、そこに偶然生まれつき、良いものを良いと言える自分、そういうもの全てに感謝してきました。
本日も、ひと箸ごとに7、80回近くも噛んで朝食が終わり、歯ブラシを時間かけてしっかり行い、痛み止めその他の薬をのみ、抜ける頭髪をすき取り、白血球減少対策の点滴が終わり、1日が始まりました。