2014.6/26(木)、曇り ジジー放談です。
「お疲れ様」と言い過ぎではないでしょうか?、電子メールや挨拶で言いませんか?
むかし会社にいた時、電子メール本文の冒頭に「お疲れ様です」と書いたメールをよく受け取った。最近も昔の会社の若い知人からそのような書き出しのメールを受け取った。「オレは別に疲れていないのにな~」と昔も思ったものだが、今でも違和感がある。であるので、私はあまり使わない。しかし、このように広く使われていることを思うと違和感を感じない人が多いのだろう。だから、これまで他人にこのことを言ったことはない。
知り合いの事務所などに行くと、受け付けの若い女性が「お疲れさまでーす」と声を掛けてくる。帰るときにまた、同じように「お疲れさまでーす」という。「そんなにおれは疲れて見えるかな?」と言いたくなる。また「ご苦労さまです」という言い方はもっと一般的にあちこちで言われているのではないだろうか。「いや何も苦労していないけど」とか「おれの苦労を知ってるわけじゃないだろう」というのはへそ曲がりか。
「様」というものはっきりとしない言い方だ。まあ全体としては多分、「貴方はお疲れになるまで頑張ったんですね」という相手を思いやる気持ちで言っているのだろう。相手を思いやる気持ちは悪くは無い。
しかし私の違和感はこうだ。「あなたは疲れているように見える」と相手に言うことが、相手の健康に悪い影響を与えないだろうかと言うことである。意識的にだけでなく、無意識において、「そうかオレはそんなに疲れているのか」と考える、つまり脳がそう受け取ってしまうことは無いだろうか、という心配である。「あなたは疲れている」とまるで催眠術にかけるように言っていいのだろうかという疑問である。
英語ではこのような挨拶はたぶん「How are you?」つまり「ごきげんいかがですか?」とか「調子はどうですか?」というものであろう。日本人のように「あなたは疲れているようですね」と受け取れる言い方をするとブッ飛ばされるかもしれない。
人間の脳は素晴らしいようだが、その一方で自分と他人のことを区別しない事があるらしい。例えば、「疲れている」などの表現を聞いているとそれが相手のことであっても自分と相手の区別が付かずに「自分が疲れている」と考えてしまう癖があるらしい。だから、「お疲れ様」と言っている人は自分の脳も「おれは疲れている」と思っているかもしれない。逆、相手に「今日も元気ですね」とか「やる気満々ですね」などと声がけしていると、自分も元気になって行くという習性があるらしい。これらのことと通じているのだろうが、ネガティブな表現は止めよう、前向きな積極的な表現をしよう、という看板をみたことがある。
例えば、サッカーとかフィギアスケートなど予想に反して、大きな大会でうまく行かなかいケースを見ていると、日本人の行動様式にこのような大舞台で委縮する様なことが組み込まれているのではないかと思ったりする。まさか彼ら、彼女らのコーチなどは「お疲れ様~」なんて言っていないだろうが。
電子メールでは「お元気ですか?」、事務所の受け付けでは「お元気ですね」などの挨拶でスタートするのが良いように思う。しかしこう言うと、「元気ばかりでは聞いているだけで疲れる」と言う声も聞こえてきそう。たしかに、プロレスの誰かのようにバカでかい声で「元気ですかー?」などと絶叫するのは、あれは品がない、おかしい。
スポーツクラブにかよっているが、受付などでもよほどのことがない限り「お疲れ様~」とは言わないようだ。1時間のエアロビクスなど終わって出てきたときに疲れたと思っていると、顔を見たスタッフが「疲れましたか?」とか「ずいぶんお疲れのようですね」と言ってくることがある。これはもちろん正しい言い方だ。